100語一覧表!動詞の名詞化(Nominalisation)をフランス語の具体例付きでわかりやすく解説

100語一覧表!動詞の名詞化(Nominalisation)をフランス語の具体例付きでわかりやすく解説

フランス語では、動詞や形容詞から名詞に単語が変化することを名詞化(Nominalisation:ノミナリザシオン)と言います。

名詞化した単語を知ることで、意味をより深めることができ、効率よく暗記することも可能です。

今回は、フランス語の動詞から名詞へと変化した単語を一覧表にまとめてご紹介します。

分かりやすく解説するために、グループごとにまとめましたので、ぜひフランス語の学習にお役立てください。

この記事で分かること

  • 名詞化(Nominalisation)の規則やルール
  • 名詞化の具体例を一覧表で確認できる
  • 日本語訳付きで動詞と名詞の違いが分かる

Nominalisationの意味とは?

フランス語のNominalisationの意味とは「名詞化」を指します。

具体的には、形容詞や動詞をもとに、単語を名詞に変化させることです。

日本語でも「勉強する→勉強」「歩く→散歩」のように名詞化した単語がありますよね。

今回は、動詞から名詞に変化したフランス語を取り上げ、一覧表で分かりやすくご紹介します。

Nominalisationの定義を詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

Nominalisationの意味とは?フランス語と日本語の具体例でわかりやすく解説 Nominalisationの意味とは?フランス語と日本語の具体例でわかりやすく解説

フランス語|動詞から名詞化(Nominalisation)する単語のルールとは?

フランス語の動詞を一つ一つ探して、名詞化(Nominalisation)を見ていくと、膨大な数の単語を調べなければならないため、とても時間がかかりますよね。

しかし、動詞から名詞になるものにはある程度の決まったルールがありますので、まずは傾向を知ることで効率よく覚えられます。

ここからは実際に、動詞から名詞化する形を、以下4つに分けてご紹介します。

動詞から名詞化する規則4つ

動詞と名詞、それぞれに日本語訳を付け加えました。

Nominalisation(名詞化)によって、どのように意味が変化したのかわかりやすいようになっていますので、ぜひ参考にしてください。

注意点

日本語訳は、数ある意味から一部をご紹介しています。

また、記事後半で詳しく解説をしますが、動詞から名詞化したものは一つとは限らず、複数になるケースもあります。

今回はNominalisationの全体像をとらえるために、一つの動詞に対して一つの名詞のみを取り上げていますが、例外もあることをご理解ください。

規則①.動詞と名詞の形が変化しないもの

動詞と名詞の形が変化しないもの

フランス語の動詞の形が、そのまま名詞になるものの例です。

動詞名詞
dîner(夕食をとる)le dîner(夕食)
déjeuner(昼食をとる)le déjeuner(昼食)
souper(夜食をとる)le souper(夜食)
rire(笑う)le rire(笑い)
sourire(ほほえむ)le sourire(ほほえみ)

形が同じため、動詞と名詞の違いに悩むこともあるかもしれません。

そんなときは、文脈や、冠詞があるかどうかで判断できます。

ふらぞぅ
ふらぞぅ

同じ形だと覚えやすいですね!

規則②.動詞の活用形と名詞が同じもの

フランス語のノミナリザシオン(Nominalisation)

こちらは、動詞の活用形が名詞と同じものです。

動詞活用形名詞
payerje paiela paie
rencontrerje rencontrela rencontre
forcerje forcela force
charger je chargela charge

活用形は、Je(私)を主語とする一人称単数形のものと同じになります。

よく使われる一人称単数形なので、活用を知っていれば作りやすいのが特徴です。

規則③.動詞の一部が消えて名詞になるもの

フランス語のノミナリザシオン(Nominalisation)

動詞の語尾の一部が消えて、Nominalisationになるものがあります。

動詞名詞
ajouter(~を加える)l’ajout(追加)
chanter(歌う)le chant(歌)
débuter (始める)le début(始まり)
arrêter(~を止める)l’arrêt(停止・中断)
appâter(~に餌をやる)l’appât(餌)
voler(飛ぶ)(~を盗む)le vol(飛行)(盗み)
trier(~を選別する)le tri(選別)
profiter(~から利益を得る)le profit(利益)
sauter(跳ぶ)le saut(跳ぶこと)
finir(~を終える)la fin(終わり)

動詞の語尾-er,-irを落とした形が、名詞になっています。

探したところ男性名詞が多い印象を受け、母音が省略されている「L’arrêt」「L’appât」も男性名詞になります。

規則④.動詞の語尾が変化する名詞14パターン

フランス語のノミナリザシオン(Nominalisation)

これまでにご紹介したNominalisationは、動詞と名詞の形がとてもよく似ているものでした。

ここからは、語尾の形に注目をし、14のパターン別にご紹介します。

よく見られる語尾14パターン(ABC順)

  • -age
  • -ance,-ence
  • -at
  • -ée
  • -erie
  • -ie
  • -ise
  • -ment
  • -xion
  • -sson
  • -té, te
  • -sion
  • -tion
  • -ure

それでは順に見ていきましょう。

1.語末が-age,-adeになる名詞

動詞 名詞
abattre(~を倒す)l’abattage(取壊し)
affiner(精錬する)l’affinage(精練)
allumer(点火する)l’allumage(点火)
braver(勇敢に挑む)la bravade(虚勢)
marier(結婚させる)le mariage(結婚)
passer(通る)le passage(通過)
tirer(引く・印刷する)le tirage(くじ引き・印刷)
tourner(回る)le tournage(撮影)
régaler(ごちそうする)la régalade(一気飲み)
rouler(転がる)la roulade(ロール)

日本語訳は、数ある意味のなかから一部に限定して、ご紹介しています。

たとえば「le tirage」の意味には、「くじ引き」のほか、印刷部数、(写真の)プリント、(暖炉の)吸い込み、(ワインの)樽出し、などのさまざまな意味もあります。

他の単語にもさまざまな意味がありますので、気になる方はぜひご自身でお調べくださいね。

ちなみに「精錬する」とは・・・不純物を取り除いて純度を高めることを意味します。

2.語末が -ance,-enceになる名詞

動詞名詞
assister(出席する)l’assistance(f.)(出席者)
alterner(交替する)l’alternance(f.)(交替)
concorder(一致する)la concordance(一致)
affluer(流入する)l’affluence(f.)(溢れかえる)
exister(存在する)l’existence(存在)
renaître(再生する)renaissance(再生)
adhérer(張りつく)l’adhérence(f.)(密着)
négliger(~をおろそかにする)la négligence(怠慢)

本記事のテーマから話はそれますが、大手育毛業界の「アデランス」さんの企業名は、フランス語の「adhérer」「l’adhérence」が語源だったのだと訳していて気がつきました。

「l’adhérence」の日本語訳には、「密着」のほか「付着」「接着」さらには医療用語で「癒着(施術などで体内組織が結合すること)」などの意味もあります。

3.語末が -atになる名詞

動詞名詞
agglomérer(寄せ集め)l’agglomérat(m.)(異質なものの)集まり
interner(収容する)l’internat(m.)(寄宿舎、寮)
plagier(盗作する)le plagiat(盗作)

agglomérerの名詞化には、l’agglomération(人口密集地域 f.)もあります。ニュースや試験などでよく見られる単語ですので、あわせて覚えておきたいです。

フランス語で「interner」は、犯罪者や亡命者、患者などを「収容する」という動詞です。つづりを見ると「Internet(インターネット)」とほぼ同じなので、意味が大きく異なることに違和感がありますよね。

この理由は「Internet」は英語を語源とする外来語になるため、フランス語の「interner」とは語源が異なります(フランス語でもインターネットは「Internet」と書きます)。

4.語末が-éeになる名詞

動詞名詞
armer(武装させる)l’armée(f.)(軍隊)
arriver(到着する)l’arrivée(f.)(到着)
assembler(寄せ集める)l’assemblée(f.)(集まり)
échapper(逃げる)l’échappée(f.)(独走)
dicter(~を書き取らせる)la dictée(書き取り)
lever(~を徴収する)la levée(徴収)
monter(登る)la montée(登ること)
tourner(回る)la tournée(巡回)

語尾が-éeになるものには、以下2つの特徴があります。

  • 形容詞の女性形と同じ形になるものがある
  • 人をあらわす名詞としても使われるものがある

①の形容詞と同じ形になる例としては、arrivé(e)(到着した)échappé(e)(逃げた)levé(e)(上げた)などがあります。

②の人を表す名詞には、以下のように名詞の性によって使い分けられます。

  • un arrivé(男性の)到着者
  • une arrivée(女性の)到着者
  • un échappé(男性の)逃亡者
  • une échappée(女性の)逃亡者

語尾が-éeになる単語は、同じつづりでも異なる意味にもなることに、注意が必要です。

5.語末が-erieになる名詞

動詞名詞
causer(雑談する)la causerie(雑談)
flâner(ぶらぶら歩く)la flânerie(ぶらぶら歩く)
moquer(ばかにする)la moquerie(からかい)
mutiner(反乱を起こす)la mutinerie(反乱)
rêver(夢を見る)la rêverie(夢想)
rêvasser(空想にふける)la rêvasserie(空想)
tromper(~をだます)la tromperie(虚偽)

causerは主に二つの単語の意味があり、「①~を引き起こす」「②雑談する」になります。ここでは②の意味を取り上げました。

6.語末が-ieになる名詞

動詞名詞
agoniser(死に瀕する)l’agonie(f)(臨終)
calomnier(~を中傷する)la calomnie(中傷)
copier(書き写す)la copie(複製)
envier(~をねたむ)l’envie(f)(ねたみ)
incendier(~に放火する)l’incendie(f)(火事)
jalouser(~をねたむ)la jalousie(嫉妬)

7.語末が-iseになる名詞

動詞名詞
mettre(置く)la mise(置くこと)
mépriser(~を軽蔑する)la méprise(思い違い)
maîtriser(~を制御する)la maîtrise(制御)
prendre(~を手に取る)la prise(取ること)
surprendre(~を驚かせる)la surprise(驚き)

-iseのグループは、動詞の過去分詞の形に似ているケースが多いです。

動詞の過去分詞

  • mettre⇒mis
  • mépriser⇒méprisé
  • maîtriser⇒maîtrisé
  • prendre⇒pris
  • surprendre⇒surpris

動詞の過去分詞の語末がiseに変換されたものが、名詞化していることが分かります。

8.語末が-mentになる名詞

動詞名詞
allaiter(授乳する)l’allaitement(m)(授乳)
affoler(動転させる)l’affolement(m)(動転)
apaiser(静める)l’apaisement(m)(平穏)
rendre(~を返す)rendement(m)(収益)
raisonner(推論する)raisonnement(m)(推論)

「授乳する」の意味の allaiter には lait(ミルク)の単語が含まれており、発音は[a-lɛ-te(アレテ)]とlaitの音が聞こえるのが分かります。

9.語末が-xionになる名詞

動詞名詞
annexer(併合する)l’annexion(f)(併合)
connecter(接続する)la connexion(結合)
fléchir(曲げる)la flexion(曲げること)
réfléchir(熟考する)la réflexion(熟考)

10.語末が-ssonになる名詞

動詞名詞
cuire(火を通す)la cuisson(焼く)
boire(飲む)la boisson(飲み物)

11.語末が-té, teになる名詞

動詞名詞
égaler(~に等しい)l’égalité(f)(平等)
perdre(~を失う)la perte(紛失)
vendre(~を売る)la vente(販売)

12.語末が-sionになる名詞

動詞名詞
accéder(~に達する)l’accession(f)(達成)
agresser(~を襲う)l’agression(f)(襲撃)
conclure(~を結論づける)la conclusion(結論)
exploser(爆発する)l’explosion(f)(爆発)
éroder(~を侵食する)l’érosion(f)(浸食)
éclore(開花する・孵化する)l’éclosion(f)(開花・孵化)

13.語末が-tionになる名詞

動詞名詞
punir(罰する)la punition(罰)
déduir(控除する)la déduction(控除)
traduir(翻訳する)la traduction(翻訳)
graduer(目盛りをつける)la graduation(目盛り)

14.語末が-ureになる名詞

動詞名詞
briser(砕く)la brisure(ひび割れ)
brûler(燃やす)la brûlure(やけど)
brocher(仮綴じにする)la brochure(小冊子)
rayer(線を引く)la rayure(縞模様)
souder(溶接する)la soudure(溶接)

rayer には「線を引く」のほかに「線を引いて消す(rayer de~)」としても使われます。

そして名詞に該当する la rayure は「擦り傷・ひっかき傷」の意味があるので、併せて覚えましょう。

フランス語の動詞から名詞化(Nominalisation)する際の注意点

フランス語のノミナリザシオン(Nominalisation)

動詞から名詞化(Nominalisation)する場合、一つの動詞から複数の名詞が見られるケースもあることに、注意が必要です。

たとえば、以下のVoyagerを例に見ていきましょう。

Voyager(旅をする)の名詞化

  • le voyage(旅行)
  • le voyageur(男性の旅行者)
  • la voyageuse(女性の旅行者)
  • les voyageurs(複数の旅行者)
  • le voyagiste(旅行代理店)

voyager(旅をする)の名詞の形は複数あり、一つではありません。

名詞の形によって意味は大きく異なるため、単語によっては複数の名詞があることを念頭に置いておくと良いでしょう。

まとめ

この記事では、フランス語の動詞から名詞化(Nominalisation)する単語を一覧表でご紹介しました。

名詞化のポイントは、動詞の形に似た単語が多く、語末の変化がグループに分けられることです。

ご紹介した単語は、なるべく日本語訳を付けて名詞化のイメージができるように意識しました。

しかし、単語の意味は一つとは限らず、複数の意味、そして様々な名詞の形があることもすでにご紹介しています。

私が参考にしたフランスのサイトを以下に載せておきます。詳しい単語のグループ分けが気になる方は、こちらの記事もおすすめです。

<参考サイト>

<関連記事>

Nominalisationの意味とは?フランス語と日本語の具体例でわかりやすく解説 Nominalisationの意味とは?フランス語と日本語の具体例でわかりやすく解説