ポール・セザンヌのアトリエから軌跡を辿る|フランスニュースで独学

ポール・セザンヌのアトリエから軌跡を辿る|フランスニュースで独学

2025年10月12日まで、フランス南部の美術館「Musee Granet」ではポールセザンヌの特別展が開催されます。

それに伴い、今回はポールセザンヌの軌跡を辿る内容をピックアップしました。

セザンヌといえば、ドクロやりんごなどの静物画が有名です。彼がどのようにアトリエで作品を制作していたのか、また、現在のアトリエの様子などが記事から分かります。ご興味のある方はニュースもチェックされてみてくださいね。

覚えたい重要単語

フランス語日本語
la propriété familiale財産・家宝
la propriété 所有物・所有地
possèder en indivision avec+人共同で所有する
un cabanon小屋
démolir取り壊す
Les travaux作品(travailの複数形)、工事
historien,ne学者
théoricien,ne理論家
le cadre環境、範囲、枠
intime(形)親密な、内輪の
le cadre intime親密な雰囲気
émouvant,e(形)感動的な
le perron階段のステップ
chapeau melonボーラー、山岳帽とも呼ばれる帽子

フランス語の重要表現

il est obligé de vendre, à regret, la propriété familiale.

→彼は財産を渋々売却せざるを得なかった。

「 à regret」の後悔の気持ちが含まれているので、売却には「渋々」であったことが分かります。「obligé de+動詞の原形」はよく使われる慣用句です。

la propriété familiale qu’il possède en indivision avec ses deux sœurs

→彼が二人の姉妹と共同所有する財産

indivisionは「division」(分割)の単語の頭に否定を表す「in」が付いているので「不分割」、つまり「共有」を意味します。

Les travaux s’achèvent à l’automne 1902.

→(アトリエの)工事は1902年の秋に完了した。

再帰代名詞を用いて、動作の対象が主語である表現を用いています。「travail」の複数形「travaux」は、名詞で「作品、工事」などの意味になります。

Il loue alors un petit appartement.

→その後、彼は小さなアパートを借ります。

副詞「alors」が入ることで「その後」という時系列を表しています。

次の表現も同じです。

Le peintre écrit alors à sa nièce.

→その画家(ポールセザンヌ)は姪に手紙を書いた。

動詞を見ると過去形ではないけれど、「その時」を意味する「alors」の存在によって過去の時点を表しています。

それから「écrir」の表現もポイントです。手紙を書く場合は、「écrir à+人」で「~に手紙を書く」という表現になります。

一方で、小説や新聞、楽曲を書く場合は「écrir+名詞」の形をとり、「écrir un roman」「écrir une symphonie」のように対象を説明します。

私のお気に入りの一文

最後に、心を惹かれた文章をピックアップしました。

Le peintre fait démolir la ferme et dessine lui-même les plans de l’atelier de ses rêves, à la campagne, sur la colline des Lauves.

→その画家(セザンヌ)は農場を取り壊し、ローヴの丘の田園地帯に夢のアトリエを自ら設計しました。

今まで大切にしていたを家宝を心苦しく手放しても、また次の夢を描いて、前を向いて人生を生きる姿が想像できました。

夢のアトリエを自ら設計し、そこで残りの半生を仲間と共に絵を描いて過ごす。人間味のある素敵な人生に尊敬します。

ポールセザンヌのアトリエ

ポールセザンヌのアトリエは、一般公開されており、こちらのサイトから詳細を確認できます。

https://cezanne2025.com

季節限定で一般公開されているので、訪れる際は日時の確認をおすすめします。

アトリエ周辺にはテラスや売店などもあり、セザンヌが暮らしていた空間に実際に溶け込むことができます。

いつか私も、機会があれば訪れてみたいです。